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健康診断で胃の異常を指摘されたら?精密検査が必要なケースとは

健診結果に関するお悩み
健康診断で胃の異常を指摘されたら?精密検査が必要なケースとは
友利 賢太

院長 友利 賢太

資格

  • 医学博士(東京慈恵会医科大学)
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医
  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
  • 日本消化器内視鏡学会
    上部消化管内視鏡スクリーニング認定医
  • 日本消化器内視鏡学会
    大腸内視鏡スクリーニング認定医
  • 日本外科学会 日本外科学会専門医
  • 日本消化管学会 消化管学会専門医
  • 日本ヘリコバクター学会 H. pylori 感染症認定医
  • 4段階注射療法受講医
  • 東京都難

健康診断で指摘される「胃の異常」とは

健康診断や人間ドックで「胃の異常を指摘された」と聞くと、多くの方が強い不安を感じるかと思います。しかし、この「異常」という言葉は必ずしも重い病気を意味するものではありません。多くの場合、バリウム検査や胃内視鏡検査で見られた粘膜の変化や形態のわずかな違いを示しています。健康診断は病気を診断する場ではなく、異常の可能性を拾い上げるスクリーニング検査となります。そのため、少しでも通常と異なる所見があれば「要再検査」「要精密検査」と記載される仕組みになっています。そのため、健診結果は今すぐ病気が確定したという通知ではなく、一度きちんと調べましょうというサインとなります。


健診結果に書かれやすい所見の意味

健診結果には、専門用語が並ぶことが多く、内容が分かりにくいと感じる方もおられるかと思います。代表的な所見としては、「胃炎疑い」「粘膜不整」「ヒダの肥厚」「胃ポリープ疑い」「バリウムの通過不良」などがあります。これらの所見は、胃の粘膜に慢性的な炎症がある可能性や、胃の動きがやや低下している可能性を示しています。また、ポリープ様に見える影が写った場合でも、良性の変化であることが多く、精密検査を行って初めて正確な判断が可能になります。特にバリウム検査は間接的な画像診断であるため、実際の胃の中を直接確認しないと分からないことが多いという点を理解しておくことも大切となります。


健診結果の経過観察とはどういう状態?

健康診断の結果に「経過観察」と記載されていると、「今すぐ治療は不要」と受け取ってしまいがちですが、必ずしも安心できる状態とは限りません。多くの場合、現時点では大きな異常は見られないものの、胃粘膜の変化や軽度の炎症など、将来的に悪化する可能性がある所見が確認された状態を指します。特に胃の異常は自覚症状が出にくく、知らないうちに進行することもあります。経過観察と書かれていても、症状の有無や過去の健診結果と照らし合わせながら、必要に応じて消化器内科に相談をするようにしましょう。


「要精密検査」となる主なケース

健康診断で精密検査を勧められるのは、いくつか共通した特徴があります。たとえば、胃の粘膜の凹凸が目立つ場合や、バリウムの流れに明らかな滞りがある場合、胃の形が通常と異なって見える場合などは要検査として判定がでる場合がございます。また、過去の健診結果と比べて所見が変化している場合も、精密検査が必要と判断されます。前年は異常なしだったのに、今年は指摘が入った場合、その変化の理由を確認する必要があるからです。さらに、胃がんリスク検診でピロリ菌感染や萎縮性胃炎が疑われた場合も、内視鏡検査による精密な評価が推奨されています。


自覚症状がなくても注意が必要な理由

胃の病気の特徴のひとつは、病気が進行するまで症状が出にくいという点があります。胃がんや慢性胃炎、胃ポリープなどは、初期段階ではほとんど自覚症状がなく、食欲もあるし、痛みもないから大丈夫と思われる方も多くおります。しかし、症状が出てから検査を受けた場合、すでに病気が進行していることも少なくありません。そのため、健康診断での指摘は、症状がないうちに病気を見つけるための重要なチャンスといえます。自覚症状がないからこそ、健診結果を軽視せず、精密検査を受ける姿勢が将来の健康を守ることにつながります。


放置すると起こりうるリスク

健康診断で指摘された胃の異常を放置してしまうと、慢性的な胃炎が進行し、胃粘膜の萎縮が強まる可能性があります。萎縮性胃炎は胃がんのリスク因子のひとつとされており、早期の評価と管理が重要となります。また、胃ポリープや潰瘍性病変が見逃されている場合、時間の経過とともに状態が変化することもあります。特に出血を伴う病変では、貧血や全身倦怠感など、胃以外の症状として現れることもあります。「忙しいから」「怖いから」という理由で受診を先延ばしにすることで、結果的に大きな治療が必要になる場合もあるため注意が必要です。


再検査までの生活で気をつけるポイント

健康診断で胃の異常を指摘され、再検査や精密検査を控えている期間は、不安になりがちですが、日常生活でできる対策もあります。暴飲暴食を避け、胃に負担の少ない食事を心がけること、アルコールや喫煙を控えること、十分な睡眠をとることなどが胃の回復を助けます。しかし、これらはあくまで補助的な対策であり、生活改善だけで判断を先延ばしにすることは避けるべきとなります。検査を受けることで初めて、正確な状態がわかりますので、放置することなくお早めに医療機関にご相談ください。


精密検査で行われる主な検査

健康診断後の精密検査として最も一般的なのが胃内視鏡検査(胃カメラ)となります。胃内視鏡検査では、胃の粘膜を直接観察できるため、炎症の程度、ポリープや潰瘍の有無、腫瘍性病変の可能性などを詳細に評価することが可能となります。必要に応じて組織を一部採取し、病理検査を行うことで、良性か悪性かの判断も可能になります。また、ピロリ菌検査を同時に行い、除菌治療が必要かどうかを判断することもあります。むさしの内視鏡・胃腸内科クリニックでは、鎮静剤を使用した胃内視鏡検査を行っており、苦痛を最小限に抑えた検査も可能となります。


受診のタイミングと診療科の選び方

健康診断で要精密検査と記載された場合は、できるだけ早めに消化器内科や内視鏡検査を行っている医療機関を受診することが望ましいです。特に、体重減少、食欲低下、黒色便、貧血を指摘されたことがある場合には、早めの受診が重要となります。検査を先延ばしにせず、「問題がなければ安心できる」という前向きな気持ちで受診することが大切です。


よくある質問(FAQ)

健診で異常と言われましたが、必ず病気ですか?

いいえ。精密検査で異常なしと判明することもあります。

症状がなくても検査は必要ですか?

はい。症状が出にくい病気も多いため、健康診断で指摘があれば検査をおすすめします。

胃カメラは苦しいですか?

鼻からの経鼻内視鏡や鎮静剤を使用する眠ってできる胃カメラでは、苦痛を軽減した検査も可能となっています。

精密検査で異常がなければ安心してよいですか?

現時点での重大な病気が否定できるため安心材料になりますが、定期的な健康診断を継続しましょう。また、必ずしも病気がないわけではないために、症状などがあれば早めに医療機関に相談をするようにしましょう。

どの医療機関を受診すればよいですか?

消化器内科、特に内視鏡検査を実施しているクリニックがおすすめとなります。