アニサキス

胃アニサキス症

アニキサスが胃の壁に突き刺さってしまうと、経口感染後の3～4時間後に上腹部痛、吐き気、嘔吐などの症状が現れますが、同じ食事をされても全く症状が現れない方もいらっしゃいます。
痛みなどの症状は直接的なものではなく、胃壁とアニキサスに対するアレルギー反応とされており、アニキサスを除去することで症状はすぐに改善されます。
胃カメラ検査でアニキサスを確認した後、患部からアニキサスを抜き取ります。アニキサスの疑いがある方はお電話にて症状をお伝えください。

腸アニサキス症

腸アニキサスはアニキサスが腸壁に突き刺さってしまっている状態で、経口感染後の十数時間～数日後に強い下腹部痛、吐き気、嘔吐、発熱などの症状があらわれます。
稀にですが、症状が悪化すると腸閉塞や腸穿孔を引き起こすこともあり、その場合は入院が必要になるので注意が必要です。

アニサキスアレルギー

アニキサスに対する免疫アレルギーで、経口感染後に血圧低下、蕁麻疹などが起こり、悪化した場合は呼吸不全や意識消失なども起こることがあります。

アニサキスとアナフィラキシー

アレルギーが起こった際に一番避けたいものがアナフィラキシーショックで、最悪の場合命に関わることもある重篤なものです。日本国内のアナフィラキシーショックの原因では、食べ物、お薬の副作用に次いでアニキサスが第三位となっています。
よく青魚アレルギーと思われることが多いですが、実際はアニキサスアレルギーだったということがあります。
青魚アレルギーを心配して食べられない、突如原因不明のアナフィラキシーショックを起こしたという方は、アニキサスアレルギーが関係していないかを調べていることをお勧めします。

検査

まずは問診を行い、アニキサスが胃にいると疑われる場合は胃カメラ検査を行います。もし発見された場合は除去治療をその場で行います。
胃から小腸までアニキサスが移動している可能性がある場合は、血液検査や腹部超音波検査を行いますが、発見は非常に困難になります。

治療

胃カメラ検査でアニキサスを確認した場合は、その場で除去治療を行います。除去後はすぐに症状が治まるのでご安心ください。

アニサキスへの予防

魚介類を生で食べることがアニキサスに感染するリスクが一番高いです。魚介類をご自宅で食べる際はマイナス20℃以下で24時間以上の冷凍、もしくは60℃以上で1分以上の加熱処理をしてから食べるようにしましょう。

また、アニキサスは全長15ミリほどあるので、ヒトの目でも確認できます。調理するときや食べる前に注意を払うことも予防に繋がります。

アニキサスは魚の内臓部分に寄生していますが、捕獲された直後から筋肉へと移動していく習性があり、釣った魚を刺身用に調理する場合は早めに内臓を取り出すことでアニキサスも一緒に取り除ける可能性があります。