“大腸カメラ検査で、大腸ポリープが見つかった“
“大腸ポリープを大腸カメラで切除した”
など、一度は“大腸ポリープ”という言葉を耳にしたことがある方は多いと思います。
大腸ポリープは大腸カメラ検査中に発見される頻度の高い疾患ですが、中には症状なく大きくなり、放置すると大腸がんへと進行するものもあります。
では、大腸ポリープにはどのような種類があり、どのような大腸ポリープが治療の対象となるのでしょうか?
上記のように大腸ポリープは分類され、腫瘍性か非腫瘍性かの判断が非常に重要となります。
大腸ポリープの多くは腫瘍性ポリープの中の“大腸腺腫”であり、これらの腫瘍性ポリープは腫瘍の大きさが増すほど、腫瘍の中に“がんを含む確率”が高まります。
これらの腫瘍性ポリープを大腸カメラ検査にて発見・治療することで大腸癌死亡率を低減させることがわかっており、
米国National Polyp Studyによる研究では、大腸腺腫を大腸カメラ検査で切除することにより、大腸がん罹患率が約80%減少し、大腸がん死亡率が約53%抑制されたと報告され、本邦でも大腸腺腫を内視鏡的に切除することが推奨されています。
大腸カメラ検査の精度管理の指標として、“大腸腺腫発見率(ADR:adenoma detection rate)という言葉があります。
これは大腸カメラ検査を行った方の何%に大腸腺腫(腫瘍性ポリープ)が発見されたかを意味しており、専門的に大腸カメラ検査を行う医師は、自身の大腸腺腫発見率は把握し、より高く維持できるよう日々努力しています。人間ドックで行った場合や便潜血陽性の方を多く検査した場合、年齢など、検査対象によって多少のバラツキはありますが、 この数値が高いほど精度の高い大腸カメラ検査であるといえるでしょう。
当院では、
内視鏡専門医による丁寧な観察に加え、AIによる病変検出支援システムの使用、色素散布や、特殊光観察を用いて、1%でも腫瘍発見率が上昇し検査精度を高めることができるよう日々内視鏡検査にあたっております。
大腸ポリープは早期発見・早期治療が非常に重要です。
ポリープも小さなうちは無症状であることがほとんであり、大腸カメラ検査が唯一の発見・治療が同時に可能な検査となります。
大腸がんのリスクを抑えるためにも大腸ポリープの知識を深め、定期的な検診を受けるようにしましょう。