便潜血検査方法について
化学法と免疫法の二つの方法に分かれます。
現在日本で使用されているのは、免疫法になります。
それぞれの特徴を以下に示します。
- 化学法:食事内容や薬剤の影響を受けやすく制限が必要、偽陽性となること多い検査方法
- 免疫法:Hb検出力に優れ、ヒトHbに特異性が高く、動物などのHbにほとんど反応しないため食事制限などが必要ない。上部消化管の出血(食道や胃)では、胃液などの消化液によってヘモグロビンが変性を起こすため、多くの場合陽性にならない。
上記でお分かりのように、便潜血検査では“免疫法”の方が精度が高く、現在検診などでは、この“免疫法”による便潜血検査が行われています。
なぜ2日間採取するのでしょうか?
2日間にわたり採取することで、大腸がん検出率は高まり、偽陰性率(大腸がんがあるのに、結果が陰性となってしまう確率)が低下することがわかっています。
連続した2日でなくても大丈夫ですので、2回の排便でそれぞれ採取するようにしましょう。
どうやって採取・保存すればいいでしょうか?
採取方法
便の長軸方向で5cm程度を3本なぞる“表面擦過法”が推奨されています。まんべんなく表面を擦り取るようにしましょう。
保存方法
付属のパックに入れ、高温に長時間放置しないよう冷暗所で保存します。採取後5日以内に持参するようにしましょう。
便潜血検査が陽性となったら?
2回のうち一度でも陽性であった場合は、精密検査を受ける必要があります。
精密検査として厚生労働省は、大腸カメラ検査(全大腸内視鏡検査)を推奨しています。
たとえ、大腸がんが見つからなかったとしても、大腸がんの原因となりうるポリープなどを発見・治療することができたり、投薬治療が必要な炎症性腸疾患が見つかったりすることも多くあり、非常に有用な検査であるといえるでしょう。